
持続可能な
社会に向けて
ビジターセンターの
ペレットストーブ
裏磐梯の冬は、氷点下の気温や、山の積雪の累積平均が3メートルあることで有名です。裏磐梯ビジターセンターでは、持続可能な資源から発生した圧縮木材の木片を燃焼させる環境に優しいペレットストーブを使用し、寒い時期にこの施設を温めるのに役立っています。
この木片は、持続可能な3つの資源、つまり、間引きを目的として切り倒された木々、立ち木から剪定された枝、木材作りで出た木くずから発生したものです。森林区域を間引きすると、残った木々が最大限に生育し、火災のリスクを減らすこともできます。また、弱い木を剪定することで、その木の構造的な健全性が高まり、新たな健康な成長が促されます。
木片を機械で研削し、乾燥させ、圧縮し、ストーブの自然燃料としてペレットにします。ペレットに廃棄木材を使用すると、より多くのカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)を伴う化石燃料に代わる、優れた代替物となります。
ビジターセンターの
雪室冷却システム
裏磐梯ビジターセンターでは、裏磐梯の湖、湖沼、湿地や、この地域に生息している野生生物の情報を提供しています。ビジターセンターは、持続可能な冷却・加熱システムを使用して環境への影響を減らしています。ビジターセンターでは、夏には、冬の再生可能な資源である雪を使用した伝統的な冷却システムを使用しています。冬には、ビジターセンターの真向かいにある遮断された雪保管室、雪室の中に雪が集められ積み上げられます。暖かい空気がビジターセンターの通気口から建物の枠組みにある配管システムを通じて送られます。その空気は地下に行き、最大180トンの雪が圧縮され保管される雪室に送られます。
雪が溶けるとその水は保管室の下に集まり、周りの冷気がビジターセンターに戻されます。この環境に優しい冷却システムは、センターの壁の塗装に珪藻土を使用するなど他の持続可能な機能によって補完されています。プランクトンの化石から作られたこの吸収性のある粘土状の素材は、空気中の湿気を吸収することで湿度を調整します。
寒冷地に住む日本のコミュニティは食料の保存を目的として雪と氷の自然特性を長い間利用してきました。天然冷蔵庫として雪室を使用することは江戸時代(1603年-1867年)に普及したと考えられており、日本の高山地域では今もなおエネルギー効率の高い冷蔵保存に使用されています。