
森が目を覚ます
裏磐梯の春
4月になって深く積もった雪が解け始め、森や湿地帯に蕾や新梢が顔を出すと、裏磐梯に春が到来します。ツキノワグマ(学名:Ursus thibetanus japonicus)が数か月の冬眠から姿を現し、筍やブナの新芽を食べます。
ツキノワグマが森の中で食べるものを探し回っている間に、クロサンショウウオ(学名:Hynobius nigrescens)も冬眠から目を覚し、昆虫や蜘蛛やサワガニを食べます。クロサンショウウオは、4月中旬ごろになると湖沼や沼地で放卵を始めます。蝶の幼虫が生い茂ったハンノキの若葉を餌にして、虹色に輝く緑の羽のあるミドリコツバメに変身します。黒、白、赤の羽をまとったアカゲラ(学名:Dendrocopos major)が一瞬にして木々の間をすり抜け、昆虫や種や木の実を探します。

水芭蕉(学名:Lysichiton camtschatcensis)の白い花が雄国沼周辺の湿地に点在しています。4月の下旬になると、桜峠の周りで、オオヤマザクラ(学名:Cerasus sargentii)の群生が淡いピンクや白色の色彩の花を咲かせます。5月になると、桜島では、磐梯山を背にして桜が花を咲かせ、その花が桧原湖の水面に反射します。
